- 妻を役員にすると節税できるか?ポイントは所得分散効果
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2016年9月11日
個人事業では、原則として家族に給与を支給することができません。
(例外として青色事業専従者控除などで届出書を提出する等、一定の条件の
基で給与の支給が認められています。)
これに対し、法人化すると、自分や家族に給料を自由に支給して、会社の経費
にすることを通じて節税することが可能となります。
その際にキーワードとなるのが「所得分散」です。
妻など家族を役員にし、社長と妻とに「所得分散」することによって、
世帯トータルの所得税、住民税が安くなるように、役員報酬をコントロールすること
が家族企業の「節税の基本」と言ってもよいでしょう。
【妻を役員にするとどうなるか?】
実務上、多いのが、奥様がお店に出たり、総務・経理的な業務を手伝っているケース
です。
こんな場合は、奥様を役員にして役員報酬を支給し、所得を分散して節税しましょう。
社長1人が役員報酬を支給を受ける場合と、社長と奥様の2人が支給を受ける場合を
下記で比較してみましょう。
≪具体例≫
【(1)社長が役員報酬800万円の支給を受ける場合】
(イ)社長 ・・・1,144,500円(所得税、住民税)
【(2)社長が役員報酬700万円、妻が100万円の支給を受ける場合】
(イ)社長・・・874,500円(所得税、住民税)
(ロ) 妻 ・・・・・ 0円(所得税、住民税)
(ハ)(イ)+(ロ)=874,500円
【(3)社長が役員報酬450万円、奥様が350万円の支給を受ける場合】
(イ)社長・・・438,500円(所得税、住民税)
(ロ) 妻 ・・・283,500円(所得税、住民税)
(ハ)(イ)+(ロ)=722,000円
上記では、
(1)が世帯合計の税額が、3つのうち最も重いパターンとなります。
(2)は、妻の税金がまったくかからないパターンです。
(3)は、世帯合計の税額が3つのうち最も少ないパターンです。
我が国では、超過累進税率という所得の高い部分ほど高い税率を乗じて
税額を計算する構造となっており、
所得の高いゾーンを妻に移転させることにより妻が低い税率を適用しやすい
点が節税上のポイントとなっています。
ただし、下記の点には注意が必要です。
【妻に役員報酬を支給する際の注意点】
<社会保険>
妻に支給する役員報酬が、130万円を超えると妻が社会保険の扶養から
外れることによって、新たに妻自身に社会保険料の支払いが発生すると
いう点です。
役員報酬を妻の支給によって社会保険料の負担が増えては逆効果になり
かねませんので留意が必要です。
この点を勘案すると一般的には、妻の所得税、住民税がかからず、
社会保険にも影響しない、年間100万円以内に抑える方法も一つ
の選択肢になるでしょう。
月額83,000円×12であれば年間給与収入が100万円以下となり、
所得税、住民税、社会保険料ともに負担を考慮せずに済む水準であるためです。
<勤務の実態>
もう一つの注意点は職務執行の実態です。
妻が具体的に法人でどのような役割を担っているかなど、役員報酬が正当な
ものであることを説明できるようにしておくことが大切となります。
職務の内容に比して過大な役員報酬は否認されるリスクもありますので
ご注意下さい。
渋谷区桜丘町の福中税理士事務所では、会社設立から設立後の税務会計
まで小さな会社の融資・経理・決算をしっかりサポートさせていただきます。
<参考記事>
「役員報酬は毎月同じ額でないと経費にならない!
定期同額給与にご注意下さい。」
http://fukunaka.jp/kaisha/2015-09-02-756/
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