- 源泉所得税の仕組み/開業・会社設立時に知ってほしい源泉所得税の注意点
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2016年6月5日
サラリーマンの時は源泉所得税というと、
イメージとしては、「毎月、給料から引かれているもの(税金)」の程度で、
源泉所得税の計算方法まで正しく把握されている方は少ないのではないでしょうか?
このように会社員時代は、あまり意識することはなかったかもしれませんが、
考えてみると、毎月の給与からの「源泉徴収」され、税務署に会社から天引き
された源泉所得税を会社が自分の替わりに納付してくれていたわけです。
そして「年末調整」によって、1年間の税金を会社が計算してくれていたわけですので、
自分で確定申告する必要もなく「ラクができていた」のも事実です
これに対し、自分で会社設立すると、今度は従業員に対し、「同じこと」
をしてあげなければなりません。
開業・会社設立すると従業員さんの給与計算を間違えるわけにははいきません。
しかし、社会保険料とともに給料から天引きされる源泉所得税は、実は、注意点も多く、
会社設立当初の社長様に正しく知っておいていただきたいものでもあります。
ただ、 源泉所得税の仕組みは、本当は複雑で範囲も広いのですが、自社に関係するところ
だけなら、慣れればそれほど難しくありませんので、ぜひ必要なところだけでも
開業・会社設立時にしっかり押さえておきましょう。
【源泉徴収制度とは何か?】
「源泉徴収制度」とは、分かりやすく言うと、会社が従業員に対し給料や報酬を
支払う際に、あらかじめ所得税を天引きして、
「会社が従業員の代わりに国に納付する仕組み」
と言ったらよいでしょう。
わが国では、個人の自営業者は確定申告、給料をもらっているサラリーマンは、
年末調整をすることによって、
1月から12月までの「1年間」の所得を確定し、所得税を精算する仕組みを
取っています。
この「源泉徴収制度」を通じて、国の代わりに、法人や個人事業主が所得税を
まとめて徴収してくれるわけですから、国にとって「とってもありがたい」制度
と言えますが、
逆に事業者にとっては、事務負担が重くなるデメリットもあります。
【源泉所得税を天引きしなければならない者(=源泉徴収義務者)は誰か?】
源泉徴収する義務がある者は、基本的に「人を雇っている」法人や個人です。
逆に言うと、従業員を一人も雇用していない個人事業主は、源泉徴収しなくて
良いこととされています。
さて、所得税法上は、個人のうち、次の者は、源泉徴収しなくて良いと規定されています。
ただ、現実的には、(2)に注意していれば大丈夫でしょう。((1)はあまりありません。)
(1)常時2名以下の家事使用人(例えばお手伝いさん等)だけに給与を支払っている人。
(2)給与の支払いがなく、弁護士等の報酬のみを支払っている人。
【納期は、原則、翌月10日】
上記の要件を満たした源泉徴収義務者は、毎月の給料から天引きされた源泉所得税を
原則として徴収した月の翌月10日までに税務署に納付しなければなりません。
(例)~4月20日に支給した給与の源泉所得税は、5月10日までに税務署に
納付することとなります。
【「源泉所得税の納期の特例」により、納期は、半年に1回】
常時従業員10人未満の従業員の会社は、「源泉所得税の納期の特例の承認申請書」
を提出することにより、「毎月」納付ではなく、「年2回」の納付で済ませることが
できます。
分かりやすく言うと、小さな会社には、
「毎月納付するのは大変でしょうから半年に1回でいいですよ!」
ということなんです。
この納期の特例の納期限は、下記年2回です。
(1)1月~6月までに支払った給料から源泉徴収した所得税・・・7月10日
(2)7月~12月までに支払った給料から源泉徴収した所得税・・・翌年1月20日
【納期の特例の注意点】
(1)常時10人未満の小さな会社のための特例であるため、従業員数が増えてきて、
常時10名を超える規模なったら、毎月納付をしなければなりませんのでご注意下さい。
(2)「源泉所得税の納期の特例の承認申請書」の提出の効力は、提出月の翌月から発生します。
このため、初回の支給分のみ納期の特例の対象とならない点にご注意下さい。
(3)デザイナー、シナリオライターなどの報酬・料金の源泉所得税については
「納期の特例」の対象とならず、原則通り毎月納付となりますのでご注意下さい。
この他、給与の支給が開始する場合、「給与支払事務所等の開設届出書」を
1ヶ月以内に所轄の税務署長に提出する必要があります。
会社設立したら、源泉所得税関係の届出書として、上記の「源泉所得税の納期の特例の承認申請書」
の提出と合わせてこちらも提出も忘れないようにしましょう。
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