- 株式会社の社長の責任とは?株主責任と連帯保証
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2016年5月22日
小さな会社の社長さんは、代表取締役であり株主であることが通常です。
株式会社を会社設立すると、株主である社長が、資本金を出資します。
今回は、株式会社の社長を取り巻く責任について考えてみました。
そして資本金を使って利益を上げて資本を増やすため、会社を運営し、
投下資本を回収するわけですが、必ずしも順調にいくとは限りません。
資本金だけでは事業資金が足りませんから開業時に金融機関から融資を
受けるわけですが、
借入を受けた以上、今度は、お金を返済していかなければなりません。
その後、収支がマイナスの状態が続くと、会社設立の直後にあった資本金は
使い果たして、借入金返済も苦しくなってきます。
【株主の責任とは?】
さて、もし会社が倒産した場合、株主は、「出資した範囲内」の限定的な
責任を負うこととなります。
株主が出資して、会社が倒産しても、株券が「紙クズ」(無価値)になったとしても、
それ以上の資金の持ち出しはありません。
株主は出資額を回収できないことによって、責任を取ることとなります。
つまり、出資したお金が返って来ないことはあったとしても、社長個人の
財産を売って弁済する必要はありません。
責任が出資額を限度とする有限責任である点がポイントとなります。
なお、事業上の損失が出た場合も、あくまで法人の債務ですので原則として
個人資産への影響はありません。
【借入金を返せないとどうなるか?】
ただし、借入金の返済が滞った場合には、様子が変わります。
中小企業が金融機関から借り入れをする場合、社長が連帯保証人に
なっている場合が多いためです。
もし、会社が借入返済ができなくなった場合、社長が個人保証をしていると、
金融機関は、社長に対して弁済を要求してきますから、残った借金は、
社長個人の資産から弁済しなければなりません。
このため、残念ながら会社が破産すると社長も破産するケースが多いのが
実情です。
つまり、中小企業では、株式会社が倒産したら個人に債務は及ばない
「有限責任制」は、名目的なものと言え、
その点で社長は、事実上の、「無限責任」を負っていると言えます。
【連帯保証を求められない公的融資制度とは?】
しかし、起業促進のため、政策的に社長の連帯保証を求めない公的融資制度が
充実しています。
日本政策金融公庫の
・新創業融資制度
・中小企業経営力強化資金
などが代表的なものとなります。
起業にリスクはつきものですが、社長自身の連帯保証が付くかどうかは、
その後の影響を考えると、連帯保証が付かない方が良いことは言うまでも
ありません。
渋谷区桜丘町の福中税理士事務所では、
・会社設立から法人・個人の税務、
・日本政策金融公庫などの公的融資制度
のご相談まで開業期の社長様を親身にサポートさせていただきます。
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