- 償却資産税という「店舗内装」「パソコン」「看板」などに課税される税金とは?
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2016年7月3日
会社設立するとかかる税金としては、法人税等の「所得(もうけ)」に
対して課税される税金についてはイメージしやすいのですが、
資産を「持っている」ことに対して課税される税金があります。
そもそも課税されることについて気が付かないで、翌年に想定外の税金の
納付書が来て、慌てることとないよう早めに押さえておきたいものです。
この固定資産税の一種、「償却資産税」について確認してみましょう。
【資産を持っていることについて課税される税金の種類】
・土地、建物について課税されるもの・・・・・・・・・・・・固定資産税
・自動車について課税されるもの・・・・・・・・・・・・・ 自動車税
・それ以外の固定資産(=償却資産)について課税されるもの・・・償却資産税
と言ったら分かりやすいでしょうか。
会社設立して自社で土地、建物を取得する場合は、一般的には少ないのですが、
店舗内装、機械、パソコン、看板 等はよく取得するものと言えます。
勘定科目で言うと、「建物附属設備」、「構築物」、「器具備品」といった
ところです。
【償却資産の具体例】
償却資産には下記のようなものが該当します。
・「構築物」・・・門、塀、内装工事、内部造作、アスファルト舗装 等
・「機械及び装置」・・・各種製造設備 等
・「船舶」・・・ボート、釣り船 等
・「航空機」・・・飛行機、ヘリコプター 等
・「車両及び運搬具」・・・大型特殊自動車等(自動車税が課税されるものを除きます。)
・「工具器具及び備品」・・・パソコン、看板 等
法人1月、個人事業主は、毎年1月1日現在において、所有している償却資産
について市区町村へ申告することとなります。
そして、この償却資産の申告に基づいて市区町村が課税することとなります。
土地、建物は、自動車は登記、登録されていますので何もしなくても課税
されますが、
償却資産税は自社で申告することを通じて課税されることとなります。
なお、下記のように減価償却資産の取得価額、経理処理方法によっては、
・償却資産税が課税される場合と、
・課税されない場合
と取り扱いが異なる場合があり注意が必要です。
【「30万円未満の少額な償却資産」の課税関係】
(1)10万円未満で一時損金算入されたもの
⇒償却資産税が課税されません。
(2)20万円未満の「一括償却資産」(3年償却)
⇒償却資産税が課税されません。
(3)30万円未満の中小企業者の少額減価償却資産の特例(一時損金算入されたもの)
⇒償却資産税が課税されます。
法人税法の規定により青色申告法人については、30万円未満の減価償却資産
について即時償却できることとされています。
30万円未満の固定資産が経費で落とせるという、使い勝手の良い規定ですが、
償却資産税の課税上は、(2)20万円未満の一括償却資産 と異なり、課税される
のが注意点となります。
なお、30万円以上の固定資産で個別減価償却されるものについては、
償却資産税が課税されます。
【償却資産税の「免税点」とは?】
上記のうち償却資産税の対象となるものであっても
総額で150万円までは、償却資産税が課税されません。
つまり、「一定程度以上」の償却資産を所有していなければ課税されない
ようになっているのです。
ここでの注意点は、「課税標準」が150万円を超えた場合、
150万円を「超えた額」が課税されるのではないという点です。
償却資産の「総額」を課税標準として課税されることとなりますのでご注意下さい。
例えば、当期に取得した償却資産の課税標準が200万円の場合、
200万円×1.4%=28,000円が償却資産税額となります。
その後、毎期償却し、償却後の簿価を「課税標準」として課税される
こととなります。
【リース資産の償却資産税について】
リース資産は、原則として貸し手(リース会社)が課税されます。
しかし、実質的に売買にあたるもの(所有権移転リース、割賦販売等、
リース期間後使用者に譲渡される場合)は借り手が課税されます。
また、ソフトウェア、特許権、商標権などの「無形固定資産」は課税されない
のが特徴点と言えます。
【まとめ】
・土地、建物のように固定資産税や、車両の自動車税など他の税金が課税されていないも
のに対して償却資産税が課税される。
・リース資産については、原則、資産の「貸し手」が課税される。
・150万円(免税点)までは、課税されない。
会社設立・新規開業時は、納税のことまでイメージがつきづらいですが、
開業後の翌年1月1日現在の所有関係に基づいて5~6月頃に1年分の納付書が送付される
こととなりますので、ご留意下さい。
渋谷区桜丘町の福中税理士事務所では、創業期の会社様と社長様の特有の
お困り事もしっかりサポートさせていただきます。
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