- 生命保険で退職金を準備するメリット(設立したら知っておきたい!)
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2016年12月4日
【保険で退職金を準備しよう!】
法人化すると個人時代には受けられなかった税務上のメリットの一つに
「生命保険料を経費で落とせる」というものが挙げられます。
しかし、実際には、保険料を支払う法人側だけでなく、役員など退職金を受け取る
個人側にも税務上のメリットが大きい点が見逃せないところです。
【保険で退職金を準備するメリット】
<①保険料の一部を法人の経費で落とすことができる。>
長期平準定期保険など法人保険として利用される保険は
一般的に保険料の2分の1を経費で落とせるものが多いです。
<②退職金支給時の役員等個人の税額を軽減できる。>
長く勤続すればするほど所得税、住民税の課税が緩やかになるような仕組みに
なっています。
<③会社を守るための資金として使うことができる。>
使途が自由であるため、解約返戻金を役員が健康上の理由などで交代した時などに
売上減少などが発生した場合に、
・事業継続のための運転資金の確保、
・事業承継にあたって株式購入代金の準備など
に充てることができます。
この他、契約者貸付金として解約返戻金額を基礎として融資を受けることもできます。
<④社会保険料の削減>
役員報酬をアップすると社会保険料が上がってしまうのに対し、退職金で支給
することによりその影響を回避することができる。
【退職金は税負担が軽い】
なかでも特に着目すべき点は、退職金が長年の勤労の対価としての側面や、
老後の生活資金としての性格であることに鑑み、支給時の所得税、住民税の
課税が緩やかである点です。
退職金を受け取った際、下記のように税務上、3つの計算上のポイントがあります
勤続期間30年の創業社長が退職金を3,000万円の支給を受けた場合の例を基に
具体的に見ていきましょう。
(1)退職所得控除
長く勤続すればするほど認められている言わば「非課税枠」のようなものです。
勤続1年当たり40万円、20年を超えると1年当たり70万円ずつ増えて行く仕組み
となっています。
例えば30年勤続した役員、従業員の場合を前提とすると下記のような算式で
退職所得控除額が増えていくことになります。
(例)30年勤続の場合・・・40万円×20年+70万円×10年=1,500万円
特筆すべき点は、勤続年数が長くなり30年ともなると退職金3,000万の場合で
ちょうど半額の1,500万円もの「非課税枠」が認められるという事実です。
(2)2分の1課税
退職金から(1)の退職所得控除を控除した残額が課税されるのではなく
そこから、さらに2分の1が課税されることとなります。
(退職金-退職所得控除)×1/2
に課税されることとなるため、当初の退職金額からみるとグッと小さくなります。
(例)30年勤続、退職金3,000万円の場合
・・・(3,000万円-1,500万円)×1/2=750万円
※(ただし、平成25年以降は、改正により勤続年数5年以下については1/2課税
が認められなくなっています。)
(3)分離課税
通常、一時に多額の給与・賞与を受けると「超過累進税率」の所得税、住民税が
課税されることによって、高い所得税率となりやすい構造にあります。
これに対し、退職金はその他の所得と合算せず分離して課税されますので高額な
役員報酬をもらっていたとしても別枠で計算されますので高い所得税率を回避し
やすくなります。
(例)
①所得税750万円×23%-636,000)×102.1%=1,111,800円
②住民税 750万円×10%=750,000円
③①+②=1,861,800円
退職金保険には、一般的には保険料の1/2を損金に算入されるタイプの
「長期平準定期保険」などがよく使われています。
このタイプの保険では、保険料の半分を経費で落としつつ、簿外に資産を
貯めることができます。
会社設立したら法人保険を検討して見てはいかがでしょうか。
起業当初は、経営も安定せず、保険料の継続的な負担に不安を感じられる
方もいらっしゃるかと思います。
しかし、新規に会社設立された方の中には、個人事業からの法人成りのケースや、
既に一定の営業基盤があり、利益が見込めるケースなどは、設立時から法人契約に
よる退職金準備がおススメできるケースと言えるでしょう。
渋谷区桜丘町の福中税理士事務所では、起業・会社設立を検討中の経営者様の
事業立ち上げや、税務会計、決算までワンストップでサポートさせていただいて
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どうぞお気軽にご相談下さい。
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