- 事業承継と法人化のメリット/ポイントは「法人が死なない」こと!
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2016年8月2日
法人と個人の端的な違いの一つに、法人は「死なない」という点があります。
ここに法人化をした場合の事業継続のためのポイントがあります。
今回は事業承継の側面からみた法人化のメリットについて考えてみました。
【法人化すると事業用資産に相続税が課税されない】
個人事業主が死亡した場合、事業用資産を承継するに当たって、相続人は、
相続税・贈与税の課税を受けることとなります。
これに対し、会社設立し法人の資産として承継する場合、相続税、贈与税が
課税されません。
つまり、法人化しておけば、現金預金、土地、建物、建物附属設備、器具備品、
機械装置といった固定資産の代わりに自社株式を承継するだけで済むことと
なります。
【法人化すれば事業用資産の分散を回避できる】
万が一、社長が死亡し、相続人で均分に相続することとなった場合、事業を承継する
相続人が、相続する財産だけでは、事業を継続することができなくなる可能性があります。
これに対し、法人の場合、事業用の財産は法人の所有物ですのでそのような問題は
発生しません。
【法人化すれば「口座凍結」の影響を受けない】
個人事業の場合、経営者が死亡すると、経営者個人の預金口座が凍結されるリスクも
負うこととなります。
これに対し、法人の場合、法人名義の預金口座は凍結されることなく、事業継続に
支障を生じることはありません。
【親族以外への事業承継】
力のある従業員に事業を承継したいという場合や外部の者に対するM&Aのケース
では、株式を譲渡等することにより、事業用の資産、第三者へスムーズに引き継ぐ
ことも可能です。ケースによっては、従業員ごと引き継ぐことも可能です。
【許認可】
許認可についても、法人であれば代表者や株主が変わったとしても事業継続できます。
【まとめ】
・個人事業では、事業主が死亡してしまうと、そこで一旦、事業は終了することと
なります。
これに対し、法人の場合、解散の手続をしない限り、事業は継続します。
・相続税、贈与税の課税を回避し、相続時に経営者個人の預金口座の口座凍結が防げる
という事業継続しやすく、経営者が変わってもすみやかな移行が可能となります。
・法人化することにより、自社株式を譲渡、相続、贈与することによってスムーズな
事業承継が可能となります。
・ただし非上場株式の株価評価は、類似業種比準価額や純資産価額に基づいて計算
することとなりますが、計算手順が複雑である点がデメリットと言えるでしょう。
・早めに承継者が決めて、自社株を少しずつ贈与していくなど、株価引き下げ対策も
踏まえて時間をかけた対策がポイントと言えます。
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