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会社設立したら「貸し倒れ」にご注意下さい。

2016年3月30日

決算の時に悩むこととなるものに、売掛金が回収できないままのものが

ある場合、貸倒損失等の計上により経費で落とせるかどうかが大きな

問題となります。

 

これから会社設立し開業される皆様は、当初のうちは、売上を重視し

がちです。

 

しかし、期せずして未回収の売掛金が増えてしまうと、仕入れ代金の

支払い、税務上、課税が先行する税金負担もあり、

 

資金繰り面の悪影響も大きく、日頃からの与信管理を通じたリスク管理

が重要と言えそうです。

 

さて、残念ながら売掛金や貸付金などの債権の回収不能が発生して

しまった場合、果たしてどのような取扱いになるのか?

下記の3つの法人税法上の取り扱いについて知っておきましょう。

 

では、一つずつ確認していきましょう。

 

【法律上の貸し倒れ】(金銭債権が切り捨てられた場合)

金銭債権につき、法的に債権が消滅した場合に、貸し倒れを認めるも

のです。

 

法律的に会社が消滅したことにより回収ができないものは、債権自体が

消滅したことが明らかです。

 

このため、税務上、判断の余地なく貸倒処理が認められることとなります。

 

【事実上の貸し倒れ】(金銭債権の全部が貸し倒れた場合)

金銭債権につき、債務者の資産状況、支払能力等からみて「全額」が

回収できないことが明らかとなった場合に貸し倒れを認めるものです。

 

なお、全額回収不能が前提とされるため、担保、保証人がある場合、

原則として貸し倒れ処理ができません。

 

実質的に回収できないものの判断の事実認定が判断が難しいため注意

が必要です。

 

債務者と連絡がつかない、返してもらえない状況だけでは、簡単に貸倒

れ処理ができない面があり注意が必要です。

 

【形式上の貸し倒れ】(一定期間経過後弁済がない場合等)

売掛債権につき、最終弁済期または弁済時から1年以上経過した場合等

に1円の備忘価額を付して貸し倒れ処理を認めるものです。

 

経済的に無価値になった場合でなくても、適用されること、売掛債権

についての取り扱いであることで比較的緩やかな取り扱いとなってい

ます。

 

会社設立や開業時、新規の取引先との取引開始に当たっては、十分に

調査して慎重に行いましょう。

 

特に仕入れが先行する業種の場合、ご注意下さい。

 

貸し倒れによりダブルパンチはダメージも大きく、取引条件を交渉したり、

少額からの取引開始など様子を見ながら取引することも有効でしょう。

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