- 定款で発行株式数の上限を決めなければならないのはなぜか?【発行可能株式総数とは?】
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2016年3月19日
【発行可能株式総数とは?】
今回は、会社設立時にしかあまり出てこない、しかも何だか分かり
づらい、「発行可能株式の総数」について考えてみたいと思います。
会社設立時には、あらかじめ会社の定款に下記のような文面で、
「発行することができる株式数の枠」を設定しておかなければ
ならないことをご存知でしょうか。
(例)「当会社の発行可能株式総数は、10,000株とする。」
「発行株式総数」とは会社が実際に発行している株式の総数のことですが、
これに対し、「発行可能株式総数」とは会社が発行することができる
株式の総数のことをいいます。
この発行可能株式総数は、登記が必要です。
会社は、事前に設定(登記)した「枠」の範囲内でしか株式数を
増やすことができないことになっているのです。
このため、もし「枠」を超えて株式を発行する場合には、定款を
変更する必要がありますので知っておきましょう。
【一体なぜ定款に発行株式数の上限を定めなければならないのか?】
(1)取締役の権利の濫用の防止のため
それは、発行可能株式数の範囲内であれば、株主総会でその都度、
株主に聞かなくても取締役会で自由に株式数を増やすことができます。
これは、上限である発行可能株式数が設けられていないと、
役員の権限で無制限に特定の株主が増資により持ち株割合を
50%超にしたり、他方の株主の持ち株割合が下がって、影響力が
低下してしまう恐れがあるのです。
つまり、取締役会が、現在の株主に不利になるような増資をする
ことに一定の制限をかけているわけです。
(2)機動的な資金調達を妨げないため
株数を発行するためにいちいち、株主総会で決議していては、
機動的な資金調達に支障が出る恐れがあるためです。
なお、発行可能株式数を超えて株式を発行する場合には、定款を
変更したり登記を変更する必要があります。
【発行可能株式総数を決める際のポイント】
将来、資本金をいくらまで増資する可能性があるかを基に
決めるのが良いのですが、でも、いざ考えてみると意外と
イメージしづらいものです。
なお、発行可能株式総数を少なめに設定してしまうと、将来、
増資した際に「枠」を超えてしまうと、定款変更に合わせて
登記費用がかかってしまう点にご注意下さい。
ただ、中小企業(非公開会社)にとって、「発行可能株式数」は
ただの「枠」という意味合いしかありませんから、多めであっても
支障はありません。
このため、当初の発行株式数が仮に100株の場合、その10倍の
1,000株など、「きりの良い」株数で多めに設定しておくのが現実的と
言えるでしょう。
会社設立時には、今まで関わることのなかったことがいろいろ出てきます。
しかし、起業時の社長さんはとっても忙しいですから、ぜひ本業に
集中していただくためにも、設立登記の手続や開業資金の融資の
ことから会社設立後の税務のなどは、ぜひ私共、開業・起業の
専門家に聞いていただきたいと思っています。
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