事業の目的はどう書くか?会社設立時の公庫・融資のポイント

2016年4月17日

会社が行う事業の内容のことを「事業の目的」と言います。

 

会社は、第三者が何をやっている会社か一目でわかるように

登記簿謄本の「事業の目的」で明確に示さなければなりません。

 

 

株式会社や合同会社などを会社設立する場合、これから行う事業に

ついて定款に記載しなければなりません。

 

(これを、定款に必ず記載が求められている「絶対的記載事項」と

いいます。)

 

その結果、登記手続きを通じて登記簿謄本に記載され、第三者が、

その会社が何をやっている会社なのかを確認することができるわけです。

 

なお、会社は、原則として定款の「事業の目的」に記載された事業以外

の業務を行うことができないこととなっています。

 

(参考)民法34条より

・・・「法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた

目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。」

 

と規定されています。

 

しかし、

 

逆に「目的」に書いてあるからと言って、その業務を必ず行わなければ

ならないわけでもありません。

 

 

【事業の目的を追加する場合】

もし、定款に記載されていない事業を行う場合は、定款を変更する必要が

あります。

 

このため、もし、将来行う可能性がある業務が想定される場合は、すぐに

行わないものであっても、

 

後々の手間や費用を考えると、あらかじめ会社設立時の最初の定款(原始定款)

に載せておくことがお勧め致します。

 

もし、法人設立後に新たな事業の目的の追加が必要になった場合は、

「定款の変更」の登記が必要となり、登録免許税3万円が追加でかかります。

 

(司法書士に依頼する場合は、その他に登記報酬がかかります。)

 

なお、事業の目的の追加は、実は1個でも10個でも登録免許税は変わり

ません。

 

 

【日本政策金融公庫などから創業融資を受ける場合の注意点】

ただし、単純に多ければ良いというものではありません。

小規模な会社であれば、多くても10個くらいまでにするのが無難です

 

登録免許税の節約のため、たくさん事業の目的を記載することは悪いこと

ではありません。

 

しかし、事業の目的をたくさん記載し過ぎて事業内容が不明確となり、

第三者から見て「何の会社かわからない」と言うことのないようにしたい

ものです。

 

特に、金融機関からの融資を受ける可能性がある場合はご注意下さい。

 

金融機関の立場からすると、この事業のための資金を融資したつもりが、

 

「実は、定款に記載されている全然別の事業へ融資資金が流用されてしま

うのではないか?」という懸念が生じるかもしれません。

 

もし、それが原因で融資に悪影響が出るようでは本末転倒です。

 

また、無用な誤解を避け、「怪しい」会社と思われないように、金融業、

風俗業、投資業などはできる限り避けましょう。

 

日本政策金融公庫や区の融資制度などの公的融資では、これらの業種の

方は利用できない場合があるためです。

 

 

【「前各号に附帯する一切の業務」とは?】

従前の事業と関連性のある事業が新たに出てくる場合はよくあることです。

 

そんな場合には、末尾に「前各号に附帯する一切の業務」と記載し、

「目的の範囲」を広げることとなり、類似する事業について新たに

目的変更の登記をする必要はありません。

 

とっても便利な記載方法ですので覚えておくと良いでしょう。

 

 

【許認可業種】

また、事業目的に建設業、飲食業、古物商、酒販業、人材派遣業を始め

「許認可業種」が含まれている場合、

 

事業の目的に特定の表記が必要となりますのでご注意下さい。

 

 

【目的変更の手続き】

事業の目的を変更する場合の手続についてまとめてみました。

 

(1)株主総会

会社の事業の目的の変更は、重要な事項であることから通常の

株主総会と異なり、特別決議という厳格な決議により行います。

 

(2)議事録

株主総会議事録を作成します。

 

(3)法務局へ登記申請

事業の目的の変更をした場合、変更後2週間以内に本店の所在地の

管轄の法務局に変更登記を申請しなければなりません。

 

(4)異動届出書の提出

税務署、都税事務所等に対して目的変更の異動届出書を謄本、定款

写し等とともに提出することが必要です。

 

事業の目的を変更した場合、遅滞なく異動届出書を提出しましょう。

 

【まとめ】

・将来行う可能性がある事業をあらかじめ入れておきましょう。

 

・融資を想定している場合は、事業目的の入れ過ぎや、一貫性のない目的

は避けましょう。

 

・許認可事業の場合は、定款の事業目的に定款に許認可に必要な適切な表記

が必要となります。

 

 

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