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株主総会議事録は何のために作成するか?

2016年4月27日

会社を設立すると、初めてのことがいろいろ出てきますが、

「株主総会」や「取締役会」もその一つではないでしょうか。

 

これらは、分かりやすく言うと、会社の重要事項を決定する

特別な会議と言えるでしょう。

 

その際に作成する、「株主総会議事録」や「取締役会議事録」は、

会社の重要な意思決定の経過を記録したもので、会社に作成、保存が

義務づけられている書類です。

 

時には、裁判や税務調査において、会社の意思が決定されたことを

証明するために重要なものとなります。

 

なお、会社法には、下記のように「記載事項」についても明記されて

います。

(1)日時および場所

(2)議事の経過、結果、要領

(3)出席した役員の氏名又は名称 他

 

 

役員登記等のために必要な書類という風に認識されている向きもある

議事録ですが、

 

株主総会や取締役会が開催された際には、そもそも、会社は、議事録の

作成をしなければなりません。

 

議事録は、もし何かあったとき、例えば税務調査、裁判などで証拠と

される場合もある、重要な社内資料といえ、

実は、きちんと作って保存しておかないといけない大切な書類です。

 

 

税務調査に関して言えば、役員報酬など会社と役員の間の取引に

ついては、役員の「好き勝手にできる」余地があります。

 

だからこそ、役員報酬などが、適切な手続に基づいて決められたもの

であることを証明するために必要なものとも言えます。

 

役員報酬は「過大」とされた場合、税法上、損金算入が認められ

ません。

 

この過大かどうかの判断基準が、形式基準と実質基準という2つの

判断基準です。

 

実質基準は、役員の職務の内容、会社の収益、同業他社の支給状況、

法人の従業員に対する支給状況を勘案し総合的に判断することと

されているため、基準が曖昧です。

 

これに対し、形式基準は、定款や株主総会で定められた支給限度額です。

 

そこで、株主総会議事録などを通じて、形式基準の要件を満たして

おく、つまり会社の意思決定の過程が明確であることを証明する必要が

あるのです。

 

このための資料として、議事録は、税務上、役員報酬はじめ、役員と

会社の間の決定事項については、特に重要となります。

 

議事録には、個々の取締役の責任を明確化したり、取締役全員が

総意によって決定されたものであることの証拠という意味もあり

ますが、税務リスクを軽減するためにも是非、日頃から議事録を

整備しておきましょう。

 

なお、議事録は会社法で10年間保存することが義務づけられて

います。

 

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